おそい
作品を作るのにちょうどよい解像度というのがある気がしています
もちろんこれは超個人的な見解ですが作品を見て心が動くことと、作品の解像度が高いことはじつはあまり関係がないような気がしていて
例えば、すべての実写化作品がそうというわけではないけれど 漫画は漫画の絵だからこそ良くて それを単に人気作品だからとやたら実写化してしまうのは
折角の原作の良さが損なわれてしまっているといったような場合とか
我々の人間社会を何でもかんでもハイパーリアルに描くよりも ある程度抽象化、簡略化されているほうが より作家の伝えたいことが浮き彫りになってくる そんな気がするのです
ゲームなんかもそうです
現実と見間違えるような現在のVRゲームなんかは本当にすごいのですが その感動や楽しさは刹那的というか 驚きのようなものでしかなくて
ではとても解像度の低いドット絵、ピクセル画で描かれたシンプルなゲームでは感動できないのかというと
全くそんなことはないと思うのです
短歌や俳句のような研ぎ澄まされた表現の美しさであったりとか
ずっとそういった簡略化された表現のストイックさみたいなものにあこがれてきた気がします
登場して以来人間のように歌わせようと切磋琢磨されてきたボーカロイド・合成音声達ですが
もし今後ボーカロイド・合成音声がもし完全に人間のように歌うようになったら(今でも十分人間に近いとは思うけれど)
ボーカロイドに歌を歌わせる意味や価値というのは失われてしまうのではないかと思うのです
ボカロに何も特徴がなく人とまったく同じことができるなら 人間でいいのではと思うのです 人間の声というのは特徴の塊 わざわざ面倒な手段を使ってまで機械に歌わせる意味はなくなってしまう
いつからかそういった解像度のことを考えて曲や動画を作るようになっていました
動画で使う歌詞のフォントも気にするようになりました
最近投稿した動画中に使わせていただいている歌詞のフォントは作品の内容に合わせて選んだりするのですべての作品に使っているわけではないのですが
フォント作家さんたちが制作されたビットフォントが好きでよく使わせていただいてます
合成音声の歌の制作過程で感じるのは 「あ」の一音だけでは意味をなさないのにそれをつないでいくことでだんだん歌になっていくことが面白くて
「あ」だけだとただの音なのに続けて「い」を歌わせるとちゃんとあい=「愛」を歌うようになる…
これ、うまく説明できてるか不安だけど、わかりますか?
ビットフォントもこの感覚にとても近いのです
これは門真 なむさん制作の美咲ゴシックというフォントです
8×8の小さな制約の中にぎりぎり納まっている感じがとても好きなのですが
上の画像、「愛」「形」の文字を単独で見ただけでは
ぱっと見何が書いてあるか認識できないかもしれません
これが3行目 連続して並べるとなぜか 愛の形 と可読できてしまうのです
面白いですね
ビットフォントのこの感じ、合成音声が歌う曲の世界にぴったりマッチすると個人的には思うのです
これ、少々聞き取りにくい合成音声の歌に歌詞として合わせるとばっちり読めて、歌がすっと聞こえてくるようになるのです
今回の作品で使わせていただいたのはひっくさん制作マルモニカというフォント
ビット特有の粗さと凛とした佇まいのバランスの書体が今回のないこさん、かこいさんの声にすごく合うような気がしたのです
フリーでも提供されていますが ピンときた方はぜひboothの支援でダウンロードをお勧めします
(それでも100円~と良心的すぎる値段です)
実はフォント airbabe自身も以前自作しようとして挫折したことがあるのです
だからこういったフォントを公開されている作家さん達には特別に尊敬の思いがあります
特に日本語フォント それはそれは膨大な手間と時間がかかります
UTAU音源にしてもそうです 作るのにはたくさんの時間と手間がかかっています
今こうやって素敵な道具を色々とお借りして作品を作れるということは本当に素敵なことです
もちろんUTAUというプログラム本体も!
ソフトウエア作者さん フォント作家さん 音源提供者さん達に感謝しつつ
もっともっといい作品が作れたらいいなと思います
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